「ジェネ的No.1イクメン人物伝」 山崎大地さん

2011年3月19日 12:17 AM

自分の子どもだけでなく、社会的に幅広く子育てに関わる素敵なパパたち。

それがジェネリーノの考える、「イクメン」です。

 NO.1 宇宙家族 ヤマザキ

 2010年4月5日。日本時間午後7時21分。宇宙飛行士山崎直子さんを乗せた

スペースシャトル・ディスカバリー号が、フロリダのケネディ宇宙センターから打ち

あがった。

その時、夫の大地さんと娘さんは、ケネディ宇宙センターの観覧席からこの瞬間

を見つめていた。

「日本初のママ宇宙飛行士、宇宙へ」

山崎直子さんの宇宙空間での映像が流れ、不況の真っただ中、

日本の明るいニュースとして多くの方々の心に、希望と光を与えてくれたのは言う

までもない。

しかし、その陰には家族の苦労があったことを、大地さんは著書で書かれている。

自分の苦労を単に伝えたかった訳ではない、著書には、もっと本質の訴えが描か

れている。

科学や技術が進歩するミッションを成し遂げるために、宇宙開発チームがあり、

そのチームの一員として宇宙飛行士が存在する。

その中でも、日本は特に宇宙飛行士をヒーローとして、オリンピックに出場する

トップアスリートたちと同じような扱いで、国の英雄になる。

英雄にも家族がいる。子育てや介護などの現実もある。

仕事のために、家族はバラバラ、配偶者も夢をあきらめざる負えない、そんな

現実は、普通の家庭にも起こりうることだが、

宇宙飛行士の家族に充分な配慮とケアを行っている国もある。

つきつめていくと、日本の社会。

会社や国の介護や育児制度が整っていない現実を見せつけられる。

山崎さん一家は、大地さんご自身も国際宇宙ステーションの

運用管制官として「きぼう」の運用準備に従事されていた。

現在8歳の娘さんは、日本とアメリカ、そしてロシアを行き来した経験や

NASAでの体験など、宇宙と近い環境で育っている。

まさに「宇宙家族」。

直子さんが宇宙飛行士としてロシアやアメリカに単身赴任する中、

大地さんも介護や育児を抱えながらも、日本実験棟「きぼう」のフライトコントロ

ラーとして、宇宙ステーションの組み立てに夢と信念を持っていた。

しかし現実的には、かなり厳しいものだった。

忙しい仕事と育児と介護に追われ、

ついには自分の夢を捨てざる負えなかった。

その怒涛の日々が、妻、直子さんの乗る、スペースシャトル打ち上げと同時に

想い出され、涙があふれ出たという。

建前ばかりの世の中に、まっすぐに自分の考えや気持ちを伝える大地さんに

好感を持った方は少なくない。

そして次は自分が、やりがいのあるミッションを成し遂げたいという情熱もある。

今回のイクメン人物伝は、そんな大地さんがママや子ども達に伝えたい

「宇宙へ近づく夢のプロセス」をお伝えしたい。

 

山崎大地

1972年 神奈川県鎌倉市生まれ。

1997年 東海大学工学部航空宇宙学科卒後、三菱スペース・ソフトウエア㈱

      に入社。

1998年 国際宇宙ステーションの運用管制官として「きぼう」の運用準備に

      従事。

1999年 NASAでの国際宇宙ステーション実運用訓練生に選ばれ、

      翌年にジョンソン宇宙センターで管制官としての訓練を受ける。

2000年 宇宙飛行士候補者の角野(現:山崎)直子と結婚。長女誕生後、

      夫婦で育児休暇を取得しつつ、一時は父子家庭にもなりながら

      仕事と育児・介護・家庭との両立に奔走。

2004年~ NASAでスペースシャトルのMS訓練を行うこととなった妻のために、

      娘を連れて渡米。しかし政府外交官の配偶者ということから、

      仕事や就労許可が得られず、会社を退職し専業主夫となる。

2005年 有限会社国際宇宙サービスを設立。

2006年 NPO法人有人ロケット研究会、

      および株式会社アストラックスミッションサービスを設立し、

      日本における新たな宇宙産業の創出を目指す。

2008年 米国永住権取得。

2009年~2010年 

      妻のスペースシャトル・ディスカバリー号での宇宙飛行を

      家族として支える。

著書に「宇宙主夫日記」(小学館)

    「宇宙家族ヤマザキ」(祥伝社)

取材/文 松前博恵